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第11話
 えーっどこ触ってるのよこんな暗闇でやめてよやめてったら〜。 

拒絶しながらも嬉しそうな百恵は木の枝を新太郎の手と勘違いし悶えていた。 

前方で悶える百恵の姿に寒気を感じた新太郎であったが、淫らに揺れる後ろ髪の隙間から小さなホクロを発見し、密かな妄想が彼の心を温めていた。 

時の経過が曖昧になり土を刻む音が次第に重々しくなってきた頃、新太郎は空き地での威勢の良さに後悔の念を抱いていた。 

「あー疲れたよ〜。ちょっと休もうよ〜?」 

振り返った百恵の一言にようやく休憩のタイミングを得た新太郎は、"自分はまだまだいけるけど…"という素振りを見せながらも内心はホッとしていた。 

「随分歩いたね〜もうクタクタ。ふふっ御島ダケを探すのも大変〜っ!足の裏痛〜い。そうそうあたし足の裏ぺったんこなの〜ふふっっ、だから"土踏まず"ないんです。"土踏みます"なんです〜。でもでも〜走りは速いんだよ〜この前の50メートル走 もね〜△〇□◎▲。」 

加速度を増していく百恵のロケットトークは、着地点が見つからず宇宙をさまよっていた。 

新太郎は、ただただよく動く百恵の口元を眺め、時折見せる小さな八重歯に心を温めていた。 

そんな中、新太郎はある異変に気がついた。 
周囲に漂う匂いが数時間前と明らかに違うことに………。 

「百恵何か匂わないか?」 

「えーっ何?………何も匂いしないよ〜っふふっそれより猫紳士食べる?バナナっふふっ。」 

猫紳士?バナナ?…………???……! 

「百恵!!!」 
新太郎は二度見した後、百恵の手に握られてるものが御島ダケであることに気付きすかさず取り上げた。 

「やだーあたしのバナナ返してよ〜。猫野郎〜。あっ小百合ちゃんだ〜歯がいつもの三割り増し出てる きゃははっ にゃんにゃん。」 

ファンシーな世界へ誘われた百恵を止めることは困難だ、そう考えた新太郎は右手一杯に力を込めて百恵の頬目掛け大きく スイングした。 

「っギュん…… 。」 

カエルの死体のように地面にへばりついた百恵を 抱き起こし、どうにかおんぶの状態まで上手く繋げた新太郎は、勢いよく走りはじめそのまま来た道を辿っていった。 

彼の身体能力まで上げてしまう御島ダケ。 
恐ろしいこの毒キノコがどんな波乱を巻き起こすのか…… 

彼らが家へ辿り着く頃、辺りは明るさを取り戻そうとしていた。 

つづく、
| ☆連続小説「ニワトリ宇宙人事件」 | 02:19 | comments(0) | trackbacks(0) |
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