2019.10.25 Friday
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2009.11.13 Friday
最終話
かくして、ニワトリ小屋でひとり掃除する紅雪のもとに、UFOが飛来し、中から宇宙人が出てきて、その宇宙人が銃を紅雪に向けて乱射する…という、「紅雪は地球を救う1989〜花には水を、穴には棒を、紅雪には御島ダケを〜」作戦は決行された。
鋼鉄のはずの宇宙船がアルミホイルのように風で飛ばされたり、ニワトリ宇宙人のはずが豹柄だったり、武器の銃のゴムが切れたり、なぜかフライングクロスチョップをやりたがったり、我慢できず放った宇宙人のオナラの異臭が強烈だったり、謎の猫紳士が紛れ込んだりしてたけど、それは御島ダケでいっちゃってる紅雪にとって何の疑問も抱かせるものではなかった。
「うぎゃああ〜」
紅雪はものすごい形相で教室へ駈け出した。
「う、う、う、宇宙人だああ。・゚・(ノД`)」
それをみたチーネー達は猫紳士を囲んで盛りあがっている。もちろん、猫紳士は実際にはいない。実は、紅雪が御島ダケを食べなかった時の為にと百恵がこっそり給食に御島ダケを混ぜ込んでいたのだが、紅雪が策略にのかって食べた事でうれしくなり、そのことをすっかり忘れて給食を皆でぱくつてしまったのだった。
そんな御島ダケでいっちゃてる皆の狂乱を、ニワトリたちが迷惑そうに見ていた。
コケッ!
【完】
2009.11.12 Thursday
第13話
作戦決行当日の朝、淳幸は学校の男子大便所(ぽっとん和式)の中で、神妙な顔つきでビニール袋に包まれたキノコを手にしていた。
「ついにこの日が来よったか…。あの日から一日たりともぐっすりと眠れた日はあらへん、アシュラマン…おまえの無念はわしが晴らしたるからのぉ!」
なぜか関西弁の淳幸は男子トイレのドアをセームシュルト顔負けの前蹴りで突き破り、戦友たちの待つ教室へと駆けていった。
四時間目の算数の授業が終了し、給食の時間。今週が給食当番である、新太郎、百恵、淳幸はいそいそと給食の準備を始めた。銀色に輝く味噌汁の鍋や牛乳のケースが次々と教室に運び込まれ、着々とランチの準備が進行していた。しかし、本日のデザートであるプリンが入った袋が教室に運び込まれた時、教室の空気が変わった。六人の怨念にまみれた戦士達が互いに目を見合わせ、教室の隅に陣取っていた参謀格の昌子が淳幸に親指で首を掻っ切るポーズを見せた。作戦決行の合図である。
「うわー!何だこのプリン!キノコが付いてるー!うひょー!うまそー!」
淳幸がテレビショッピングばりのオーバーリアクションを見せると、それに対して紅雪が反応した。
「プリンにキノコなんて合うわけないだろ!このすっとこどっこいめ!」
かかった。六人の目がいっせいにきらめいた。
「じゃあ私それ食べるぅー!」
紅雪の耳がぴくりと動く。一番バッターの百恵が内野安打で出塁。
「ズルーい!私も食べたいぃー!」
紅雪の目が泳ぐ。二番バッターのちーねぇが絶妙な送りバント。
「あ!それは猫紳士のあれににてるなぁ!」
紅雪完全に無視。三番バッター新太郎、空振り三振。
「そのキノコ超おいしそー!絶対私が食べるー!」
紅雪、興奮して席を立ち上がる。四番バッター小百合、見事なライト前ヒット。
「駄目だよ!俺が見つけたんだから俺のもんだよ!」
紅雪、淳幸の元へ駆け寄る。淳幸もヒットで続く。
「何言ってるのよあんた達!そのキノコは私のものよ!わたしテレビで見たことあるものそのキノコ、1本ウン万円はくだらないって言われてる超絶品のマツタケちゃんよきっと!ぐへへへへへへ!!!」
紅雪、すでによだれでTシャツがべっちょべちょ。昌子の満塁ホームラン炸裂。
「僕が食べるよーーーーー!!」
紅雪が島中に響くようなどでかい声で言った。
「どうぞどうぞ!!」
かくして、第2回!紅雪イタズラ大作戦(仮)会議〜御島より愛をこめて〜改め、「紅雪は地球を救う1989〜花には水を、穴には棒を、紅雪には御島ダケを〜」は最終局面を迎えるのであった。
「ついにこの日が来よったか…。あの日から一日たりともぐっすりと眠れた日はあらへん、アシュラマン…おまえの無念はわしが晴らしたるからのぉ!」
なぜか関西弁の淳幸は男子トイレのドアをセームシュルト顔負けの前蹴りで突き破り、戦友たちの待つ教室へと駆けていった。
四時間目の算数の授業が終了し、給食の時間。今週が給食当番である、新太郎、百恵、淳幸はいそいそと給食の準備を始めた。銀色に輝く味噌汁の鍋や牛乳のケースが次々と教室に運び込まれ、着々とランチの準備が進行していた。しかし、本日のデザートであるプリンが入った袋が教室に運び込まれた時、教室の空気が変わった。六人の怨念にまみれた戦士達が互いに目を見合わせ、教室の隅に陣取っていた参謀格の昌子が淳幸に親指で首を掻っ切るポーズを見せた。作戦決行の合図である。
「うわー!何だこのプリン!キノコが付いてるー!うひょー!うまそー!」
淳幸がテレビショッピングばりのオーバーリアクションを見せると、それに対して紅雪が反応した。
「プリンにキノコなんて合うわけないだろ!このすっとこどっこいめ!」
かかった。六人の目がいっせいにきらめいた。
「じゃあ私それ食べるぅー!」
紅雪の耳がぴくりと動く。一番バッターの百恵が内野安打で出塁。
「ズルーい!私も食べたいぃー!」
紅雪の目が泳ぐ。二番バッターのちーねぇが絶妙な送りバント。
「あ!それは猫紳士のあれににてるなぁ!」
紅雪完全に無視。三番バッター新太郎、空振り三振。
「そのキノコ超おいしそー!絶対私が食べるー!」
紅雪、興奮して席を立ち上がる。四番バッター小百合、見事なライト前ヒット。
「駄目だよ!俺が見つけたんだから俺のもんだよ!」
紅雪、淳幸の元へ駆け寄る。淳幸もヒットで続く。
「何言ってるのよあんた達!そのキノコは私のものよ!わたしテレビで見たことあるものそのキノコ、1本ウン万円はくだらないって言われてる超絶品のマツタケちゃんよきっと!ぐへへへへへへ!!!」
紅雪、すでによだれでTシャツがべっちょべちょ。昌子の満塁ホームラン炸裂。
「僕が食べるよーーーーー!!」
紅雪が島中に響くようなどでかい声で言った。
「どうぞどうぞ!!」
かくして、第2回!紅雪イタズラ大作戦(仮)会議〜御島より愛をこめて〜改め、「紅雪は地球を救う1989〜花には水を、穴には棒を、紅雪には御島ダケを〜」は最終局面を迎えるのであった。
2009.11.11 Wednesday
第12話
新太郎と百恵のドラッグ&バイオレンスラブな珍道中は、結果「御島ダケ120%国産」を手に入れるに至った。
そして、
「第2回!紅雪イタズラ大作戦(仮)会議〜御島より愛をこめて〜」
で、20年後の未来にとんでもない影響もたらす“あの事件”の計画が着々と進められていた…
空き地には、作戦メンバーが全員予定通り集合している。
ただ、百恵は御島ダケの幻覚作用がまだ身体に残っているらしく、
「ねっこしーんしっ!ねっこひーろっしっ!」
という謎の言葉をたまに発してみたり、
「今日は4�浮いてる〜。」
など、かなり危険なことを言い出すため、その度に新太郎は心では泣きながらも愛をもって、真赤に腫上がった右手でファンシーな世界から、百恵をこちら側の世界へ連れ戻していた。
「前回の会議で話した通り、ニワトリ小屋でひとり掃除する紅雪のもとに、UFOが飛来し、中から宇宙人が出てきて、その宇宙人が銃を紅雪に向けて乱射する…」
と、ちー姉が話を始めると、
「でね、その宇宙人はニワトリの親玉である“ニワトリ宇宙人”なんだよ!!」
間髪入れず、淳幸が目をきらきらさせながら入ってくる。
「淳幸っ!もうニワトリ宇宙人のキャラクターは分かったから、あんたの好きにしな。とにかく大事な作戦の最終調整をしなくちゃいけないんだから黙ってろ!!」
昌子はそう言いながら、今日はこれで10本目のバナナを食べ終えた。
ちなみに合間には5発程度の放屁あり。
そして硫黄臭ただよう中、会議が始まり数時間後、ついに「イタズラ大作戦」の役割分担、作戦内容が最終決定したのであった。
ちー姉は、百恵、小百合、昌子、新太郎、淳幸とメンバーそれぞれの顔を見た後、全員に静かに語りかけた…
「まずは決行当日この“キノコ”を予定通り、紅雪に盛ることが成功への鍵よ…当日に向けて各自準備を怠らず、解散!」
つづく
そして、
「第2回!紅雪イタズラ大作戦(仮)会議〜御島より愛をこめて〜」
で、20年後の未来にとんでもない影響もたらす“あの事件”の計画が着々と進められていた…
空き地には、作戦メンバーが全員予定通り集合している。
ただ、百恵は御島ダケの幻覚作用がまだ身体に残っているらしく、
「ねっこしーんしっ!ねっこひーろっしっ!」
という謎の言葉をたまに発してみたり、
「今日は4�浮いてる〜。」
など、かなり危険なことを言い出すため、その度に新太郎は心では泣きながらも愛をもって、真赤に腫上がった右手でファンシーな世界から、百恵をこちら側の世界へ連れ戻していた。
「前回の会議で話した通り、ニワトリ小屋でひとり掃除する紅雪のもとに、UFOが飛来し、中から宇宙人が出てきて、その宇宙人が銃を紅雪に向けて乱射する…」
と、ちー姉が話を始めると、
「でね、その宇宙人はニワトリの親玉である“ニワトリ宇宙人”なんだよ!!」
間髪入れず、淳幸が目をきらきらさせながら入ってくる。
「淳幸っ!もうニワトリ宇宙人のキャラクターは分かったから、あんたの好きにしな。とにかく大事な作戦の最終調整をしなくちゃいけないんだから黙ってろ!!」
昌子はそう言いながら、今日はこれで10本目のバナナを食べ終えた。
ちなみに合間には5発程度の放屁あり。
そして硫黄臭ただよう中、会議が始まり数時間後、ついに「イタズラ大作戦」の役割分担、作戦内容が最終決定したのであった。
ちー姉は、百恵、小百合、昌子、新太郎、淳幸とメンバーそれぞれの顔を見た後、全員に静かに語りかけた…
「まずは決行当日この“キノコ”を予定通り、紅雪に盛ることが成功への鍵よ…当日に向けて各自準備を怠らず、解散!」
つづく
2009.11.10 Tuesday
第11話
えーっどこ触ってるのよこんな暗闇でやめてよやめてったら〜。
拒絶しながらも嬉しそうな百恵は木の枝を新太郎の手と勘違いし悶えていた。
前方で悶える百恵の姿に寒気を感じた新太郎であったが、淫らに揺れる後ろ髪の隙間から小さなホクロを発見し、密かな妄想が彼の心を温めていた。
時の経過が曖昧になり土を刻む音が次第に重々しくなってきた頃、新太郎は空き地での威勢の良さに後悔の念を抱いていた。
「あー疲れたよ〜。ちょっと休もうよ〜?」
振り返った百恵の一言にようやく休憩のタイミングを得た新太郎は、"自分はまだまだいけるけど…"という素振りを見せながらも内心はホッとしていた。
「随分歩いたね〜もうクタクタ。ふふっ御島ダケを探すのも大変〜っ!足の裏痛〜い。そうそうあたし足の裏ぺったんこなの〜ふふっっ、だから"土踏まず"ないんです。"土踏みます"なんです〜。でもでも〜走りは速いんだよ〜この前の50メートル走 もね〜△〇□◎▲。」
加速度を増していく百恵のロケットトークは、着地点が見つからず宇宙をさまよっていた。
新太郎は、ただただよく動く百恵の口元を眺め、時折見せる小さな八重歯に心を温めていた。
そんな中、新太郎はある異変に気がついた。
周囲に漂う匂いが数時間前と明らかに違うことに………。
「百恵何か匂わないか?」
「えーっ何?………何も匂いしないよ〜っふふっそれより猫紳士食べる?バナナっふふっ。」
猫紳士?バナナ?…………???……!
「百恵!!!」
新太郎は二度見した後、百恵の手に握られてるものが御島ダケであることに気付きすかさず取り上げた。
「やだーあたしのバナナ返してよ〜。猫野郎〜。あっ小百合ちゃんだ〜歯がいつもの三割り増し出てる きゃははっ にゃんにゃん。」
ファンシーな世界へ誘われた百恵を止めることは困難だ、そう考えた新太郎は右手一杯に力を込めて百恵の頬目掛け大きく スイングした。
「っギュん…… 。」
カエルの死体のように地面にへばりついた百恵を 抱き起こし、どうにかおんぶの状態まで上手く繋げた新太郎は、勢いよく走りはじめそのまま来た道を辿っていった。
彼の身体能力まで上げてしまう御島ダケ。
恐ろしいこの毒キノコがどんな波乱を巻き起こすのか……
彼らが家へ辿り着く頃、辺りは明るさを取り戻そうとしていた。
つづく、
拒絶しながらも嬉しそうな百恵は木の枝を新太郎の手と勘違いし悶えていた。
前方で悶える百恵の姿に寒気を感じた新太郎であったが、淫らに揺れる後ろ髪の隙間から小さなホクロを発見し、密かな妄想が彼の心を温めていた。
時の経過が曖昧になり土を刻む音が次第に重々しくなってきた頃、新太郎は空き地での威勢の良さに後悔の念を抱いていた。
「あー疲れたよ〜。ちょっと休もうよ〜?」
振り返った百恵の一言にようやく休憩のタイミングを得た新太郎は、"自分はまだまだいけるけど…"という素振りを見せながらも内心はホッとしていた。
「随分歩いたね〜もうクタクタ。ふふっ御島ダケを探すのも大変〜っ!足の裏痛〜い。そうそうあたし足の裏ぺったんこなの〜ふふっっ、だから"土踏まず"ないんです。"土踏みます"なんです〜。でもでも〜走りは速いんだよ〜この前の50メートル走 もね〜△〇□◎▲。」
加速度を増していく百恵のロケットトークは、着地点が見つからず宇宙をさまよっていた。
新太郎は、ただただよく動く百恵の口元を眺め、時折見せる小さな八重歯に心を温めていた。
そんな中、新太郎はある異変に気がついた。
周囲に漂う匂いが数時間前と明らかに違うことに………。
「百恵何か匂わないか?」
「えーっ何?………何も匂いしないよ〜っふふっそれより猫紳士食べる?バナナっふふっ。」
猫紳士?バナナ?…………???……!
「百恵!!!」
新太郎は二度見した後、百恵の手に握られてるものが御島ダケであることに気付きすかさず取り上げた。
「やだーあたしのバナナ返してよ〜。猫野郎〜。あっ小百合ちゃんだ〜歯がいつもの三割り増し出てる きゃははっ にゃんにゃん。」
ファンシーな世界へ誘われた百恵を止めることは困難だ、そう考えた新太郎は右手一杯に力を込めて百恵の頬目掛け大きく スイングした。
「っギュん…… 。」
カエルの死体のように地面にへばりついた百恵を 抱き起こし、どうにかおんぶの状態まで上手く繋げた新太郎は、勢いよく走りはじめそのまま来た道を辿っていった。
彼の身体能力まで上げてしまう御島ダケ。
恐ろしいこの毒キノコがどんな波乱を巻き起こすのか……
彼らが家へ辿り着く頃、辺りは明るさを取り戻そうとしていた。
つづく、
2009.11.09 Monday
第10話
島の西にある空き地に行くと、面々は何か面白い事が始まる予感にわくわくしていた。とりわけ日ごろ唯一紅雪から苛められていた小百合は、ようやく巡って来た復習の機会に目を爛々と輝かせながら、ちー姉と昌子が話し始めた計画に
聞き入っていた。
「いい?今回は日ごろ皆が迷惑をしているあの紅雪を懲らしめてやろうという
正義の旗印を掲げた悪戯なんだから、絶対にミスは許されないの。だからそれぞれ得意な分野を担当して皆の力であいつをギャフンと言わせるのよ。
淳幸もキンケシの恨みはあるでしょうけど、一人で突っ走らないでね。
これは、皆の力が合わさって初めてあいつを懲らしめる事ができるんだからね。」
姉き肌のちー姉が、無類の統率力を発揮する。
すかさず参謀役の昌子がポテトチップスの袋を片手に話を続けた。
「いい?来週は紅雪がニワトリ小屋の掃除当番でしょ。だから
何としてでも来週中にこの計画を実行させなきゃいけない。そのためには
どうしても御島ダケが必要なの。
あれは、東の岸壁沿いにしかないし、親に見つかったら死ぬほど怒られる。
それを今週中に手に入れないと、この計画自体がなくなってしまうわ。
だれか、それを取ってきてくれる人?それも大人に見つからないように
夜が明ける前にいかなきゃいけないから大変だけど、だれかやってくれない?」
皆が渋る中、新太郎が勢いよく手を挙げた。
「やっぱ、俺がやらなきゃだめでしょ〜!」
それを見た百恵がすかさず、
「一人じゃ危ないから、私も行くわ!」と手を挙げ、ちらりと新太郎の
方を見て、抜け目なくアピールした。
「さて、それを採ってきたら、あとは実行あるのみ!そのあとはチームプレイだから私達の日ごろの仲の良さのみせどころよ。
ふっふっふっ・・・その後の計画はね〜・・・・・」
不敵な笑みを浮かべるちー姉、昌子、そして淳幸だった。
聞き入っていた。
「いい?今回は日ごろ皆が迷惑をしているあの紅雪を懲らしめてやろうという
正義の旗印を掲げた悪戯なんだから、絶対にミスは許されないの。だからそれぞれ得意な分野を担当して皆の力であいつをギャフンと言わせるのよ。
淳幸もキンケシの恨みはあるでしょうけど、一人で突っ走らないでね。
これは、皆の力が合わさって初めてあいつを懲らしめる事ができるんだからね。」
姉き肌のちー姉が、無類の統率力を発揮する。
すかさず参謀役の昌子がポテトチップスの袋を片手に話を続けた。
「いい?来週は紅雪がニワトリ小屋の掃除当番でしょ。だから
何としてでも来週中にこの計画を実行させなきゃいけない。そのためには
どうしても御島ダケが必要なの。
あれは、東の岸壁沿いにしかないし、親に見つかったら死ぬほど怒られる。
それを今週中に手に入れないと、この計画自体がなくなってしまうわ。
だれか、それを取ってきてくれる人?それも大人に見つからないように
夜が明ける前にいかなきゃいけないから大変だけど、だれかやってくれない?」
皆が渋る中、新太郎が勢いよく手を挙げた。
「やっぱ、俺がやらなきゃだめでしょ〜!」
それを見た百恵がすかさず、
「一人じゃ危ないから、私も行くわ!」と手を挙げ、ちらりと新太郎の
方を見て、抜け目なくアピールした。
「さて、それを採ってきたら、あとは実行あるのみ!そのあとはチームプレイだから私達の日ごろの仲の良さのみせどころよ。
ふっふっふっ・・・その後の計画はね〜・・・・・」
不敵な笑みを浮かべるちー姉、昌子、そして淳幸だった。
2009.11.08 Sunday
第9話
そこには雷を背中に背負い不適に笑っている淳幸が立っていた。
「その手に持ってるの使えそうだね〜…」
…そう、淳幸はまだまだこの悪戯には甘さが残っていると考え、キンケシの恨みにはまだとどかない。そうつぶやきながら淳幸は1人で街を歩きながら更なる悪戯の方法を考えていたのだ。
「淳幸、なんか怖いぞ」
「うん、何か怖い」
皆が口々に言っていると淳幸がいきなり走ってきて小百合が持っている輪ゴムをとり1人で笑い始めた。
「紅雪ぅ〜〜!みてろよ〜ぉぉ!世界は俺のモノだぁぁぁぁ〜!はははははははははは!!!!!!」
もうイっちゃっている人である…。
「おぃ!なんとかしろよ!」
「私、無理」
と百恵
「…私も」
それにならって小百合
「私も無理ぃ〜!まだ見てたい!!!」
面白そうに見てる昌子
「おまえ姉ちゃんだろ行けよ!いつも一緒にいるんだから止め方ぐらい知ってるだろ!」
「そりゃ〜…知ってるけどー、…もう〜しょうがないなぁ〜、っとぉぉぉぉ!!!!!」
と言いながら助走をつけ手を交差しながら走る。昌子はそのままの勢いで飛び淳幸にフライングクロスチョップをお見舞いした!
「げぇぐぅらぶうぇ!!!」
淳幸は宙を舞った。
「その手に持ってるの使えそうだね〜…」
…そう、淳幸はまだまだこの悪戯には甘さが残っていると考え、キンケシの恨みにはまだとどかない。そうつぶやきながら淳幸は1人で街を歩きながら更なる悪戯の方法を考えていたのだ。
「淳幸、なんか怖いぞ」
「うん、何か怖い」
皆が口々に言っていると淳幸がいきなり走ってきて小百合が持っている輪ゴムをとり1人で笑い始めた。
「紅雪ぅ〜〜!みてろよ〜ぉぉ!世界は俺のモノだぁぁぁぁ〜!はははははははははは!!!!!!」
もうイっちゃっている人である…。
「おぃ!なんとかしろよ!」
「私、無理」
と百恵
「…私も」
それにならって小百合
「私も無理ぃ〜!まだ見てたい!!!」
面白そうに見てる昌子
「おまえ姉ちゃんだろ行けよ!いつも一緒にいるんだから止め方ぐらい知ってるだろ!」
「そりゃ〜…知ってるけどー、…もう〜しょうがないなぁ〜、っとぉぉぉぉ!!!!!」
と言いながら助走をつけ手を交差しながら走る。昌子はそのままの勢いで飛び淳幸にフライングクロスチョップをお見舞いした!
「げぇぐぅらぶうぇ!!!」
淳幸は宙を舞った。
「淳幸!!大丈夫か?!」
「ねぇねぇ!私のフライングクロスチョップどうだった?!」
百恵・小百合と新太郎が顔をひきつらせながら全く同時に
「俺(私)、昌子の体型に初めて恐怖を感じたよ…」
そこで淳幸の唸り声が
「うぅ〜ん、はっ!痛い!ものすごく痛い!!」
「淳幸大丈夫か!?」
「大丈夫よねぇ〜?いつもの事だしぃー」
「いつもの事!?」
ホラーマンガの驚いた時の顔と同じ顔をしている百恵
「俺は…一体何を…」
「いゃ、覚えてないならいい…」
「たまにこうなるんだ…。キンケシの事を考えると…うっ!」
「考えないようにしろ!最優先事項だ!」
そんなこんなやってるとそこにちー姉が走ってきた。
「遅れたわ!許せ!」
「あれ?何でちー姉が?」「俺が読んだんだよ。」
そう、淳幸がちー姉を呼んたのだ。この日のために…!
「遂にこの日がやってきました!紅雪への復讐!練り込んだ案をここで出し合いたいと思いますっ!第1回!紅雪イタズラ大作戦(仮)会議を始めようと思いますっ!!!!!!」
続くっ!
「ねぇねぇ!私のフライングクロスチョップどうだった?!」
百恵・小百合と新太郎が顔をひきつらせながら全く同時に
「俺(私)、昌子の体型に初めて恐怖を感じたよ…」
そこで淳幸の唸り声が
「うぅ〜ん、はっ!痛い!ものすごく痛い!!」
「淳幸大丈夫か!?」
「大丈夫よねぇ〜?いつもの事だしぃー」
「いつもの事!?」
ホラーマンガの驚いた時の顔と同じ顔をしている百恵
「俺は…一体何を…」
「いゃ、覚えてないならいい…」
「たまにこうなるんだ…。キンケシの事を考えると…うっ!」
「考えないようにしろ!最優先事項だ!」
そんなこんなやってるとそこにちー姉が走ってきた。
「遅れたわ!許せ!」
「あれ?何でちー姉が?」「俺が読んだんだよ。」
そう、淳幸がちー姉を呼んたのだ。この日のために…!
「遂にこの日がやってきました!紅雪への復讐!練り込んだ案をここで出し合いたいと思いますっ!第1回!紅雪イタズラ大作戦(仮)会議を始めようと思いますっ!!!!!!」
続くっ!
2009.11.07 Saturday
第8話
「面白いこと?」
いきなり横から声がした。
驚いた三人が横に目をやると、そこには電柱の影から出て来た紅雪がいた。
「面白いことって何だよ!」
割り箸で作ったゴム鉄砲を構えながら紅雪が近付いてきた。
「なんであんたがこんなとこにいんのよ!?」
百恵は新太郎の尾行を見られたのでは、と内心ドキドキしながら叫んだ。
「百恵〜、僕に向かってそんな口聞いていいのかな〜?」
紅雪がニヤニヤしながらゴム鉄砲を百恵に向けた。
(紅雪に見られた!いやー!)百恵は心の中で叫んだ。
「ちょっと百恵どうしたの!?いきなり叫んで。」
昌子がスイカの汁を滴らせながら心配そうに顔を覗きこんできた。
(しまった!)百恵は思いがけず口にだして叫んでいたことに気付いた。途端に百恵は恥ずかしさの余り真っ赤になった顔を手で覆った。すると横にいた新太郎が、
「紅雪!ゴム鉄砲を女子に向けるなんて最低だぞ!この最低人間!人間のクズ!」
言いながら紅雪にタックルしに行ったのだ。
(王子様!)百恵は真っ赤な顔を更に赤らめ、覆っていた手を下ろし、新太郎を見つめた。
「うるさい!カッコつけ新太郎!くらえ!」
紅雪はゴム鉄砲を新太郎に向かって撃った。新太郎はびっくりして思わず立ち止まり、手で顔をガードした。しかしゴムは新太郎に向かって飛ばず、その場に落ちてしまった。
「うおぉ〜!なんで前に飛ばないんだよ〜!」
「ビビらせやがって。やっぱり紅雪は紅雪だな!はっはっは〜!」
新太郎は再び紅雪にタックルしに行った。
「わぁ〜!ひとまず退散だ。逃げろ〜!わぁ〜!」
紅雪は一目散に逃げて行った。
「くっそー、逃げ足の早い奴め。今度会ったら懲らしめてやる!」
新太郎は地面を蹴りながら、紅雪の逃げた方を向いて叫んだ。
「紅雪を懲らしめる方法あるわよ。あはははははっ!」
昌子が食べ終わったスイカの皮を舐めながら大笑いしている。
「懲らしめる方法って?」
新太郎にドキドキしながらも百恵は尋ねた。
「さっき言おうと思った面白いことよ。」
ニヤニヤしながら昌子はポケットにしまってあったキャンディーを取り出し、舐めながらちー姉と淳幸と話した事を二人に話した。
「面白〜い!やろ〜やろ〜!」
「紅雪の泣く姿が目に浮かぶぜ!」
「でしょ〜!じゃあ善は急げだ。うちへ行くわよ。」
昌子がそう言った時、紅雪が去った方から声がした。
「百恵〜!置いてきたよ〜!」
そこには歯を剥き出しにして笑顔の小百合が走っていた。そして手には何故か紅雪が作ったゴム鉄砲が。
「あれ使えるかも。」
突然三人の後ろから声がした。その瞬間空には稲光が走り、激しい轟音と共に雨が降り始めた。三人は恐る恐る後ろを振り向いた。
つづく
いきなり横から声がした。
驚いた三人が横に目をやると、そこには電柱の影から出て来た紅雪がいた。
「面白いことって何だよ!」
割り箸で作ったゴム鉄砲を構えながら紅雪が近付いてきた。
「なんであんたがこんなとこにいんのよ!?」
百恵は新太郎の尾行を見られたのでは、と内心ドキドキしながら叫んだ。
「百恵〜、僕に向かってそんな口聞いていいのかな〜?」
紅雪がニヤニヤしながらゴム鉄砲を百恵に向けた。
(紅雪に見られた!いやー!)百恵は心の中で叫んだ。
「ちょっと百恵どうしたの!?いきなり叫んで。」
昌子がスイカの汁を滴らせながら心配そうに顔を覗きこんできた。
(しまった!)百恵は思いがけず口にだして叫んでいたことに気付いた。途端に百恵は恥ずかしさの余り真っ赤になった顔を手で覆った。すると横にいた新太郎が、
「紅雪!ゴム鉄砲を女子に向けるなんて最低だぞ!この最低人間!人間のクズ!」
言いながら紅雪にタックルしに行ったのだ。
(王子様!)百恵は真っ赤な顔を更に赤らめ、覆っていた手を下ろし、新太郎を見つめた。
「うるさい!カッコつけ新太郎!くらえ!」
紅雪はゴム鉄砲を新太郎に向かって撃った。新太郎はびっくりして思わず立ち止まり、手で顔をガードした。しかしゴムは新太郎に向かって飛ばず、その場に落ちてしまった。
「うおぉ〜!なんで前に飛ばないんだよ〜!」
「ビビらせやがって。やっぱり紅雪は紅雪だな!はっはっは〜!」
新太郎は再び紅雪にタックルしに行った。
「わぁ〜!ひとまず退散だ。逃げろ〜!わぁ〜!」
紅雪は一目散に逃げて行った。
「くっそー、逃げ足の早い奴め。今度会ったら懲らしめてやる!」
新太郎は地面を蹴りながら、紅雪の逃げた方を向いて叫んだ。
「紅雪を懲らしめる方法あるわよ。あはははははっ!」
昌子が食べ終わったスイカの皮を舐めながら大笑いしている。
「懲らしめる方法って?」
新太郎にドキドキしながらも百恵は尋ねた。
「さっき言おうと思った面白いことよ。」
ニヤニヤしながら昌子はポケットにしまってあったキャンディーを取り出し、舐めながらちー姉と淳幸と話した事を二人に話した。
「面白〜い!やろ〜やろ〜!」
「紅雪の泣く姿が目に浮かぶぜ!」
「でしょ〜!じゃあ善は急げだ。うちへ行くわよ。」
昌子がそう言った時、紅雪が去った方から声がした。
「百恵〜!置いてきたよ〜!」
そこには歯を剥き出しにして笑顔の小百合が走っていた。そして手には何故か紅雪が作ったゴム鉄砲が。
「あれ使えるかも。」
突然三人の後ろから声がした。その瞬間空には稲光が走り、激しい轟音と共に雨が降り始めた。三人は恐る恐る後ろを振り向いた。
つづく
2009.11.06 Friday
第7話
ちょっと百恵ちゃん、百恵ちゃん!!」
「きゃああ〜〜、新太郎が淳幸で猫紳士で〜〜〜って、小百合!!どうしたの?」
「どうしたのはこっちの台詞よ。あたしが声をかけたとたん、意味不明な事を言い出して、いきなり飛び跳ねるんだもん、しかも完全に人間の身体能力を超えてたよ?」
そんなことを言われても、百恵は訳がわからなかった。いきなり夢でもみたような感覚だった。深呼吸をして、小百合をみると、夢で見た猫紳士をおぶっていた。しかもそこからいい匂いがする。が、この匂いにある事に気づき、
「小百合、その背におぶっているものは?」
「淳幸モデル猫紳士。」
「なんで、淳幸がモデルなの?」
「お母さんが淳幸のことお気に入りだから。」
「なんでおぶってるの」
「淳幸がモデルなのはどうかと思うけど、お母さんが作ってくれたものだし、それにあたしこの匂いが大好きだし」
「その匂いって御島ダケ?」
「そうよ!!いいにおいでしょ!!」
ちなみに御島ダケとは、御島島だけにしかないとてもいい匂いがするキノコである。だが・・・
「・・・その匂いに幻覚作用があるの知ってる?」
「知ってるわよ〜。でも、あたしみた事ないけどね」
「もしかして、毎日嗅いでるの?」
「うん」
(きっと毎日嗅いでるから、免疫がついたのね。確か初めて嗅いだ人はトリップしやすいっていうし、でもまさか身体能力まであがるなんて・・・)
「と、とにかくその猫紳士おいてきた方が良いよ。置いてこなきゃ、いっしょに遊ばない!!」
「エ〜〜〜、じゃ、置いて来たら遊んでくれる?」
「う、うん」
「じゃ置いてくるね」
一緒に遊ばないの一言が効いたのか、素直に帰る小百合。
(道中、島の誰かがトリップして暴れない事を祈るのみね。さて、あたしはこの隙に尾行の続きを)
「おい、なにやってんだ?」
「ぴゃう!!新太郎!?」
あまりに大きな声を出していたので、新太郎が百恵がいる事に気がついてしまったのだ。
「どうしたんだ、百恵?」
「なんでもない!!」
「でも・・・」
「なんでもないの!!」
「そっか・・・」
新太郎は家の前で大きな声を出していた百恵を心配して声をかけたのだが、何故か百恵の押しには勝てないのである。
と、そこへ、
「お〜い」
と、今度はスイカを食べながら昌子がやって来た。
「今さ、ち〜ねぇと面白いこと考えてるんだけど、あんたたちものらない?」
続く。
「きゃああ〜〜、新太郎が淳幸で猫紳士で〜〜〜って、小百合!!どうしたの?」
「どうしたのはこっちの台詞よ。あたしが声をかけたとたん、意味不明な事を言い出して、いきなり飛び跳ねるんだもん、しかも完全に人間の身体能力を超えてたよ?」
そんなことを言われても、百恵は訳がわからなかった。いきなり夢でもみたような感覚だった。深呼吸をして、小百合をみると、夢で見た猫紳士をおぶっていた。しかもそこからいい匂いがする。が、この匂いにある事に気づき、
「小百合、その背におぶっているものは?」
「淳幸モデル猫紳士。」
「なんで、淳幸がモデルなの?」
「お母さんが淳幸のことお気に入りだから。」
「なんでおぶってるの」
「淳幸がモデルなのはどうかと思うけど、お母さんが作ってくれたものだし、それにあたしこの匂いが大好きだし」
「その匂いって御島ダケ?」
「そうよ!!いいにおいでしょ!!」
ちなみに御島ダケとは、御島島だけにしかないとてもいい匂いがするキノコである。だが・・・
「・・・その匂いに幻覚作用があるの知ってる?」
「知ってるわよ〜。でも、あたしみた事ないけどね」
「もしかして、毎日嗅いでるの?」
「うん」
(きっと毎日嗅いでるから、免疫がついたのね。確か初めて嗅いだ人はトリップしやすいっていうし、でもまさか身体能力まであがるなんて・・・)
「と、とにかくその猫紳士おいてきた方が良いよ。置いてこなきゃ、いっしょに遊ばない!!」
「エ〜〜〜、じゃ、置いて来たら遊んでくれる?」
「う、うん」
「じゃ置いてくるね」
一緒に遊ばないの一言が効いたのか、素直に帰る小百合。
(道中、島の誰かがトリップして暴れない事を祈るのみね。さて、あたしはこの隙に尾行の続きを)
「おい、なにやってんだ?」
「ぴゃう!!新太郎!?」
あまりに大きな声を出していたので、新太郎が百恵がいる事に気がついてしまったのだ。
「どうしたんだ、百恵?」
「なんでもない!!」
「でも・・・」
「なんでもないの!!」
「そっか・・・」
新太郎は家の前で大きな声を出していた百恵を心配して声をかけたのだが、何故か百恵の押しには勝てないのである。
と、そこへ、
「お〜い」
と、今度はスイカを食べながら昌子がやって来た。
「今さ、ち〜ねぇと面白いこと考えてるんだけど、あんたたちものらない?」
続く。
2009.11.05 Thursday
第6話
「百恵、あんた今…あっ、私って探偵みたい!とか思ってたでしょ?!」
「あんたはコロンボにはなれやしない…きっと……きっと…」
そう言うと小百合は逆立ちのまま去っていった。。。
「良かったっ、バレてなかったわっ。」
百恵はそう呟くとさらにいっそう目の前の新太郎の家の二階の角部屋のまさに彼の部屋の窓を凝視していた。
その時だった!急に辺りは真っ暗闇になり、激しい雷鳴とともに空から稲妻が新太郎の部屋を襲った!!!
「新太郎大丈夫!!」
耳を押さえながら百恵は叫んだ。途端に新太郎の部屋から動物の鳴き声とも遠吠えにも似た声がした!!!すると、突然窓のカーテンが開き、中から人影が現れた。
「わっ!きっと新太郎様だわ!」
ワクワクとドキドキで百恵は身体が地面から3センチ浮いた。
「ニヤ〜ゴ〜!ニヤ〜ゴ!!」
「新太郎!!!???」
部屋の中から現れたのは頭に三角耳が生え、タキシードに身を包み、淳幸の顔に髭を蓄えた‘猫紳士’だった…………。。。
「しんた?!ん?淳幸?が猫紳士に!!!」
「はふっ、、、ここは淳幸の家だったのね……それにしても猫紳士!?」
百恵は頭を抱え、身体が12センチ浮いた……。(つづく)
「あんたはコロンボにはなれやしない…きっと……きっと…」
そう言うと小百合は逆立ちのまま去っていった。。。
「良かったっ、バレてなかったわっ。」
百恵はそう呟くとさらにいっそう目の前の新太郎の家の二階の角部屋のまさに彼の部屋の窓を凝視していた。
その時だった!急に辺りは真っ暗闇になり、激しい雷鳴とともに空から稲妻が新太郎の部屋を襲った!!!
「新太郎大丈夫!!」
耳を押さえながら百恵は叫んだ。途端に新太郎の部屋から動物の鳴き声とも遠吠えにも似た声がした!!!すると、突然窓のカーテンが開き、中から人影が現れた。
「わっ!きっと新太郎様だわ!」
ワクワクとドキドキで百恵は身体が地面から3センチ浮いた。
「ニヤ〜ゴ〜!ニヤ〜ゴ!!」
「新太郎!!!???」
部屋の中から現れたのは頭に三角耳が生え、タキシードに身を包み、淳幸の顔に髭を蓄えた‘猫紳士’だった…………。。。
「しんた?!ん?淳幸?が猫紳士に!!!」
「はふっ、、、ここは淳幸の家だったのね……それにしても猫紳士!?」
百恵は頭を抱え、身体が12センチ浮いた……。(つづく)
2009.11.04 Wednesday
第5話
「その豹、使えるねぇ」
不敵な笑みを浮かべながら、ちー姉は続けた。
「アンタのアシュラマンの仇、とってあげるよ」
さっきまで晴天だったはずが、いつの間にか真っ黒なモクモクとした雲が空を覆い、今にも雨が降り出しそうになった。
遠くで雷鳴が鳴り、稲妻が光った。
「もうちょっと助っ人が必要だよね」
稲妻に照らし出されてそう言った昌子の手には、どこから持ってきたのか、
バナナが握られていた。
その時、どこかでコッコの「コケーッ!!」という声が聞こえた気がした。
ちょうどその頃、百恵は新太郎の家の張り込みをしていた。
学校から家まで後をつけてきたのだった。
「ふふ。完璧な尾行だったわ。さすが名探偵百恵ね」
一人言を言った時、ポンと背中を叩かれた。
「何やってるの?楽しそうだね」
そこには歯をむき出しにしながらも、はにかんだ微笑を見せて
小百合が立っていた。
(つづく)
不敵な笑みを浮かべながら、ちー姉は続けた。
「アンタのアシュラマンの仇、とってあげるよ」
さっきまで晴天だったはずが、いつの間にか真っ黒なモクモクとした雲が空を覆い、今にも雨が降り出しそうになった。
遠くで雷鳴が鳴り、稲妻が光った。
「もうちょっと助っ人が必要だよね」
稲妻に照らし出されてそう言った昌子の手には、どこから持ってきたのか、
バナナが握られていた。
その時、どこかでコッコの「コケーッ!!」という声が聞こえた気がした。
ちょうどその頃、百恵は新太郎の家の張り込みをしていた。
学校から家まで後をつけてきたのだった。
「ふふ。完璧な尾行だったわ。さすが名探偵百恵ね」
一人言を言った時、ポンと背中を叩かれた。
「何やってるの?楽しそうだね」
そこには歯をむき出しにしながらも、はにかんだ微笑を見せて
小百合が立っていた。
(つづく)